「名は…なんと申す?」


満月に照らされただけの薄暗い畔に二人きり


「月羽(ツキハ)と申します」


見知らぬ人に名を教える事は禁じられていたのに、何故だかこの方なら教えたいと思った


「月羽か…いい名だ」


優しく少し弾んだ声

一瞬で自分の名を改めて好きになった


「貴方様の名は?」