「貴方様が…満月と同じ匂いがしたのです」


頭から離れない侍の眼は何だか寂しそうに感じた


「面白い女だな…」


フッと鼻で笑った侍はアタシを抱き寄せた


「お、お侍様?」


急な事で動揺を隠しきれないアタシを強く抱き締める身体


「これなら満月の匂いはお前だけのモノだろう?」


耳元で聞こえる声、抱き締められた身体、満月の匂い…

不思議とアタシは安心感を覚えた