「呼び捨てでいいからね?」
「あ、じゃああたしも悠姫でいいよっ!」
「ホント?じゃあ呼び捨てでよぶね~」
なんて、他愛もない話しをしていると…
ガシャンッ!!
教室の入り口の扉が荒々しく開かれた。
教室内の全員がそこに視線を向ける。
「ねーみーっ…」
「てめぇ朝からそれしか言ってねーじゃねーか」
「うっせーな!昨日寝れなかったんだよ!」
うわっ…
来たし……
奈々に不良達の話しをしようとした瞬間…あたしは信じがたいものを目にした。
信じがたいってか…信じたくない。
「春ー!卓ー!おはよー」
!?
「あっ!なんだてめぇ奈々じゃねぇか!」
「久々~」
「いや昨日会っただろ」
「そーだっけ」
「お前なーっ」
楽しく会話する不良と奈々を、あたしを含めたクラス全員が視線を送っていた。
奈々は見た目、お上品な感じで、ギャルとか不良とか…そういうのは無関係に見える。
だからこの3人が楽しそうに会話している光景は違和感がありすぎた。
「あ…のっ…奈々?」
「紹介するよ!春と卓って言って、あたしの中学からのまぶだち~」