あれはまだ、 小学生の幼い時期の事だった。 上がり症なあたしは、 人と…特に異性と話したら赤くなる癖があった。 そんな…中々友達ができないあたしを気遣って、 クラスで1番人気者の男の子が頻繁に話し掛けてくれた。

「 やーい! お前ら出来てんだろ」

そうやってからかわれたのは、 頻繁に話しかけるようになってくれた一ヶ月後…。 あたしが常に赤いから、 勘違いされたらしい。
「 ちげーよ馬鹿! 誰がこんな不細工とっ…」
その男の子は勘違いされたのが相当嫌だったらしく、 いつも見せないような怒りを見せた。


不細工と…ーーーー


…好きだったんだけどなぁ…。 だからあたしはそれ以来、 絶対に異性とかかわろうとはしなかった。 相手が嫌がるため…それから、 自分を護るために。
それから数日経ち、 彼はどこかへ…まるで逃げるかのように行ってしまった。
残されたあたしは、 幼稚ないじめを受けた…。 彼の事は、 憎い…けれど自分の性格のせいだ…。 治したいのに、 中々治らないこの性格…
あたしも綾瀬楓や、 彼のようになりたい…。
あんな風に回りにいつも人がいて…笑い合いたかった。

引っ越したからいじめはもうないけど…どうせここでも、 友達なんかできないんだろうな。

でもあたしは知らなかった…。
綺麗すぎる雲ひとつ無い、 この綺麗な青空とは裏腹に、 嵐が迫って来てる事を。