「それじゃあみんな、あと10分だけどいつも通りにね」


叶の短い朝礼で締めくくられた、開店10分前の9:50。
店の前には、開店を楽しみにした客達で、ちょっとした行列が出来ていた。


「こっちは平気やぞ。晴人君の顔を見たいが為に裕美ちゃん頑張りよったから、しばらくは俺一人でも保つやろ」


そう述べ純一は、次々とできたてのケーキや焼き菓子を、ショーケースへ運んで行く。


「さすが裕美さん……。ハル君絡みだと、いつもの3倍で行動出来るのか…」