「これで良し。後は電気と施錠の確認か……」
売り上げの確認、翌週までの仕入れの確認…etc.
なんとも店長らしい事務作業をやっと終え、帰り支度を始める。
時間はそろそろ、てっぺんだ。
「キッチン良し」
一個ずつ丁寧に確認していき、フロアの確認をしようとした時だ。
客席から見覚えのある布地がチラリと見えた。
「誰だ?」
疑問でもなんでもなかった。こんな時間までここに居るのは――。
「すぅ……すぅ……」
――やっぱり叶だった……。ちなみに選択肢は叶ときよさん。
ただし、メイドドレスの裾が見えた時点で、叶だと予想を絞った。
とりあえず、姿勢よく座り、ちょっと目を瞑っているだけの様に思える寝方だが、起こすのは可哀想なので、先にロフトの確認を済ませる事にした。