麻美は化粧を直し教室へと戻った。周りは皆騒いでいてうるさいが麻美には何も聞こえていなかった。

(拓也のことみんなに言ったほうがいいのかな……でも言ったところで拓也が変わることはないしみんなの拓也を見る目が変わってしまう。)
麻美はずっと拓也のことを考えていた。

「……さみ……麻美!」響子が耳元で叫んだ。

「うわぁ!ビックリした、どうしたの響子。」麻美は慌てて響子のほうを向いた。

「どうしたのって、麻美がどうしたんだよ。なんか元気ないよ?」響子も心配そうに麻美を見ている。

「ううん大丈夫。」麻美は笑顔で答えた。

「そっか……なんかあったら相談に乗るからいつでも言ってね。」響子は笑顔で言って席へと戻って言った。