しばらく二人の間に沈黙が続いていた。麻美は考えていた。拓也が最低な男だとわかっていても拓也のかっこよさ・笑顔・ときおりみせる仕草にひかれていた。

「………。」麻美は黙ったまま拓也を見つめていた。

「ん?どうしたの?」拓也は笑顔で麻美のほうを見た。

「なんでもない!」麻美は口を膨らまして横を向いた。

「ごめんって~仲直りしよっ?」そう言って拓也は寝転がり麻美を横に誘った。

「もう何もしない?」麻美は尋ねた。

「しないから!はやく寝よっ♪」拓也は笑いながら言った。

「じゃあ寝よっか。」麻美はそう言って横に寝転がった。

(まぁ今じゃなくてもそのうち…)
拓也はそう心の中で思い眠りについた。

麻美は先程のこともあってなかなか眠りにつけなかった。しばらく考え事をしていると拓也が寝言を言いだした。

「治美(はるみ)……。」

「治美って誰よ。」麻美は少し笑いながら拓也を見ていた。

そして複雑な思いを胸に抱いたまま麻美は眠りについた。