悠介の家に着く頃もう辺りは暗くなっていた。

「この辺だったかな?」侑佳は周りをキョロキョロ見ながら歩いていた。

前からカップルらしき二人組が楽しく会話しながら歩いてきた。もう日は落ち暗かったので顔は見えずにわからなかったが近くなるにつれ顔がはっきりとわかってきた。

「あれっっ!?麻美??と…………拓也???えっ?えっいつのまに?」侑佳は驚きながら言った。

「エヘヘ~帰りに誘ってみた。今から拓也の家いくんだ。」麻美は笑顔でうれしそうに言った。

「そゆこと♪侑佳こんなとこで何してるの?家このへんなんだ?」拓也は尋ねた。

「えっちょっと悠介に用事があって。家確かこのへんのはずだよね?」侑佳は拓也に尋ねた。

「そうだよ。えっとそこっ!すぐそこに白い看板あるから右側見たらわかるよ!」拓也は親切に教えた。

「ありがとう。」侑佳は笑顔で言いその場を立ち去ろうとした。

「悠介んち…行くんだ…。」拓也は言った。

「うん、忘れ物しちゃって!それじゃあね。麻美がんばれ!」侑佳は笑いながら言って悠介の家へと向かっていった。

「バイバーイ。」麻美は笑顔で手を振った。

麻美は拓也の顔を見ると少し先程と様子が違うことに気が付いた。

「拓也?どうかしたの?」麻美は心配そうに言った。

「えっ?あ…あぁなんでもないよ!じゃいこうか。」拓也は笑顔で言った。

(なんでもないはずがない。きっとなにかある。)
麻美はそう思いながら拓也と歩いて行った。