明るいノック音が部屋に響いた。二人が扉に目をやると、シンファと、始めてみる少年が立っていた。平均より少し小柄なシンファと同じくらいなところを見ると、年齢的にもまだ幼いのだろう

「やっぱりこちらにいらしたんですね。せっかく自室まで行ったのに見つからないから、もしやとは思ったんですよ」

「どしたんだよこんな時間に。ってか、誰?その子」

武人がそう言ってシンファの隣に立つ少年を指す

「新しい研究員のカロン君です。紹介しに来たんですよ」

「よろしくお願いします!」

緊張しているのか、カロンは押したら倒れてしまいそうなほどカチカチに固まっていた

「あぁ、よろしく。…で、用件は?」

カロンに向けていた笑顔とは違う冷めた目をシンファに向ける武人。慣れているのか、シンファの笑顔はなんの変化も見せない

「お二人にお願いがあるんですよ」

「お願いっつーのは、拒否権があるんだからな?」

さりげなく武人が口を挟めば、

「じゃあ、命令ですね」

さらりと台詞を変えるシンファ



「カロン君の教育係、よろしくお願いします」

楽しげに言われたそれに、二人は盛大なため息を落とした