――『行ってらっしゃい!楽しんで来てね』



私ちゃんと言えてたかな。


最近は、ずっと凜久と一緒にいたから。



たった2日でも――
離れるのが寂しいって思っちゃうよ。


AM.6:08



画面に映し出された時刻を見ながら、電話を切った。


今日から凜久たちは、体験合宿。




――『夜、電話するから』

――『瑠璃も寂しくなったら電話して?……あ、夜限定だよ?』







――『瑠璃、大好きだよ』



凜久が紡いだ言葉たちが、鼓膜に甘く張り付いて。

柔らかい振動を、私に刻み続けるんだ。