オレンジ色に染められた教室が、流れる雲に光を遮られて
すこしの間…訪れる静寂。
灰色に包まれたソコは、なんだかいつもと違ってみえる。
また、オレンジ色の光が戻ってきてくれたのと同時に、あおいが続きを話してくれた。
「もうすぐ行くみたいよ。…体験合宿。さっき1年生が話してるの聞こえたんだ。」
――体験合宿。
そういえば私たちも行ったよね。
そこで私とあおいは、友達になったんだよね。
私からしてみれば、大切な思い出なんだ。
「そういえばあの時、瑠璃さ…」
少しの間、その合宿の話で盛り上がった。
――私の失敗談ばかりを話すトコロがなんともあおいらしくて。
今年は、凜久たちかぁ…。
あおいが帰った後、凜久が来るのを席に座って待っていた。