――よし!
ここは、私が一発。
――強烈なバックアタックを。
キュッと靴が床に擦れる音と共に高く跳ね上がった。
落ちてくるボールに、手を掲げた時。
――ガララッ
金属の擦り切れる音。
体育館の金属製の扉が重い音を立てて、開いた音。
ほぼ反射的に、私は音のした方向を振り向いてしまった。
「……瑠璃ッ」
「瑠璃ちゃん!」
あおいと、女の子たちの声。
…最後に聞いたのは
「―――瑠璃」
低すぎない、耳を心地良くくすぐるトーン。
それを最後に、白く霧がかった向こう側へと…意識を完全に手放してしまった。
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