「んんんーっ」
なんともなかったように、ムクッと起き上がる瑠璃。
寝起きの瑠璃は、薄茶色の瞳を薄く開いたまま俺を見つめる。
「………」
「…………」
しばらく無言で見つめ合った後。
「きゃっ、きゃあああっ!」
まるで、その叫び声に弾かれたような勢いであわあわと口を震わせながらタオルケットでなぜか体を隠す瑠璃。
まだ寝ぼけてるのかな…。
「…隠さなくてもいいから、そこは」
少し涙を含んで儚げに揺れる薄茶色の瞳を覗き込むと、俺が映っているのが分かる。
「凜久、―――?」
「ねぇ、さっきはどんな夢見てたの?俺にも教えてよ」
左手を瑠璃の背中に添わせると、ゆっくりとその背中を沈めさせていった。