凜久がくれた、赤いかさ。 「早く晴れないかなぁ」 ふたりひとつのかさの中に寄り添いながら、凜久を見上げた。 「週間天気予報を見たら、明日からはずっと晴れだったよ?」 「……え、本当?」 って、ことは…… 「今日で梅雨が明けるよ」 「そっかぁ!」 どんよりとした雲の隙間から、 光の筋が射し込んでくる。 「このかさを使えなくなるのは、少し残念だったり」 「……え、なんで?」 もしかして、凜久って雨の日が好きなのかな?