――もう、可愛かったあの頃の俺じゃない、なんて言わないで…… 私だけ、ひとり置いてきぼりにされたみたいに感じるよ…… “今”の凜久も “昔”の凜久も 凜久は、凜久だもん……! 好きなんだもん……っ! 「――…ッ」 言いたいことを言い終われば、 自然と止まること知ってたみたいに止まった涙。 まだ少し涙で歪む視界の向こう側に映るのは、少し赤い凜久の顔。 あれ……、なんで――?