「……ふふふっ」 ――やだッ! 私ってば、また……。 「瑠璃ー?早くしなさーい!」 「はーい!」 1階からお母さんの声が響いて来て、止まっていた手を慌てて動かす。 えーっと 歯ブラシに、歯磨き粉 タオルにパジャマ。 あれこれバックに詰めていく。 「……へへっ」 やだ、また――! 鏡に映るのは、どうしようもなくゆるんだ顔。 にやけてしまう、口元。