「一口もーらい」

「……ああっ!」


隣から伸びてきた手に、シェイクを奪われて



「間接キス、だね」

「――…そこ、目の前でイチャイチャしない!」


意地悪な視線を絡ませながら、徐々に近づいてくる凜久に

あおいが厳しい一言。




気付けば、
もう……外は暗くなっていた。




「あおいは、俺が送ってくから」

「そうそう!だから瑠璃も凜久くんも心配しないで早く帰ってね」


ふたりの背中を、
見えなくなるまで見送った後。




「そういえば、いつの間にヨウってば呼び捨てにするようになったんだろうね」

「……え、誰を?」

「………」


ぽっかりと丸い月が浮かぶ空の下


大きく膨らんだお腹を抱え、
凜久とふたり手を繋いで帰った。