「……凜久?」
腰に回した手を離さずに、そのまま瑠璃を抱きしめていると……
瑠璃が不思議そうに声を上げた。
「……ん、もうちょっと…」
回した腕に少しだけ力を込めて、瑠璃の首筋に顔をうずめる。
自由な瑠璃を、優しく閉じ込める貴重な時間だから――。
「……きゃっ、冷た!」
「気持ちいい~」
瑠璃が座っていた岩場にふたり並んで座ると、冷たい水の感触を放り出した足で楽しむ。
「そろそろ帰らないとね」
「うん……」
名残惜しそうに水辺を見つめる瑠璃を隣に見ながら、森を出る。
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