「……も、瑠璃最高」

ククッと笑う凜久。


え、……?

私そんな変なこと言ったかな?



「瑠璃のケガが治らないなんてことある訳ないだろ?」

「“別れよう”なんて俺が言うと思う?120%アリエナイ」

「引っ越すって……もしそうなっても、俺は瑠璃から離れないから」



――「よくそんなマイナス方向にばっか思いついたね。これは……お仕置きかな」



「や、やぁ……っ」

耳を急に甘噛みされると、体がビクッて仰け反って。

凜久の胸の中にいる訳だから……


もっと凜久に寄りかかる体勢になってしまう。


“凜久”という柔らかい腕の檻に閉じこめられて。


いつだって、逃げ道なんてないんだ。


耳の縁をツツ……と、くすぐったい程にイジられながら

逃げ道はないと分かっていても、身をよじってしまう。