「凜久のお母さんのアイスティー?」
あのキスから、私は凜久のことを意識し始めたんだよ。
と、話すと。
「その時は瑠璃、すごい動揺してたもんね。」
尻もちつきながら、軽く放心してたし。
フッと、凜久が笑う。
「パンツも見えたし」
チラッと艶美な眼差しを私に向ける。
その視線に酔わされないように、パッと視線を逸らしてしまった。
「じゃ、俺そろそろ帰るね」
すくっと立つ凜久につられて、私も立ち上がる。
「…あっ、凜久」
「…ん?」
唇のはしっこに、ハンバーガーのソースを付けたまま首を傾ける凜久がなんだか可愛い。
「付いてる」
ここ、と自分の唇を人差し指で指差した。
「…うん、取って?」
予想外の返事に、心臓がドクンと波打つ。
ザワザワとその波紋が体中に広がっていくのが分かる。