あの後すぐに救急車に運ばれて、外傷はあるものの命に別状はないって。
病院のベッドよりも、自分の家がいいって先生を説得してくれたのは……
私のお母さんとお父さんと…
――凜久。
「あのね、凜久」
「なに……?」
あの日のこと。
教えて欲しいの。
あの日、凜久に何があったのか。
何が凜久をあんな風にさせてしまったのか。
ひとつだけ分かるのは……
「私が……原因なんだよね」
「違う……ッ、瑠璃は悪くない」
――悪いのは全部、俺だから。
そう言って唇をきつく噛み締める凜久を見つめた。
全てを話してくれるまで。