「……り、く」 凜久がずっと手を握っていてくれてたからなんだね。 握ってくれていた凜久の手を、自分の頬へと持っていこうとした時 「……痛ッ」 動かした腕からジワジワと広がっていく、鋭い痛み。 全身が、痛い。 「全身打撲だって、先生が……」 そっか私……車に――。 先生って、病院の先生の事だよね? 「長い間、瑠璃が目を覚まさなくて……俺」 うん、分かってる――。 ずっと、手を握っていてくれてたんでしょう?