もう、いいから。


今は――…






「凜久、…り、く…」

校門を抜けても、聞こえてくる


俺を呼ぶ声。








「――り…ッ」

血の気が――引いた。


次の瞬間、耳に張りつくように聞こえてきたのは


俺の名前を呼び終える前に、混ざったクラクションの音と……


何かが叩きつけられたような
鈍い音。




「――……瑠璃ッ」

初めて後ろを、振り返った。