次第に迫ってくる足音。 きっと、瑠璃だ……。 後ろで弾けたのは、瑠璃の小さな悲鳴。 「――痛ッ…」 唇をギュッと噛み締めて 前に進む。 もう、――戻れない。 「凜久、お願い……!待ってよぉ!」 初めて聞いた瑠璃の悲痛な叫び。 瑠璃…… 泣いてるの――? グラリと揺らぐ俺の心。 心が折れそうになりながら、前へと踏み出す。 それでも尚、無視し続ける俺を 追ってくる声。