「ごめん、俺。欲張りだからふたつ付けたんだ……あの日」
「な、なんだぁ……」
胸の中の小さな疑問が解決して。
ホッと胸をなで下ろす。
「だから――欲張りな俺はみっつめの……」
そう言って、しゃがむように体を落としてくる凜久に
慌てて肩を掴んだ。
「り、凜久ってば……!ここ学校だよ……っ!」
「たまにはスリルがあっても……いいんじゃない?」
掴んだ力は、凜久には弱すぎて
次の瞬間には
唇が触れる感触だけを……
目を閉じて、――感じた。
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