あれ……? 凜久、ふたつ付けたの? 「――これは」 「ひゃ……っ」 急に伸びてきた手に、その跡を触れられて。 熱が、そっちに集中して集まり出す。 凜久の人差し指が…… 拭うように肌の上をすべる。 「俺が帰ってきた日から……」 「……え、?」 「ううん……なんでも、ない」 何かを言いかけた、凜久が突然言葉を止める。 帰ってきた日、から……? いくら考えてみても、 その言葉の続きは分からなくて。