「ま、待っ「ムリ」 焦る私に、ソッコー遮る凜久。 わわ……っ! 本気で怒っちゃったよぉっ! ――トン、と肩を押されれば 背中に感じる冷たい、机の感触。 「こ、これ……っ」 唇に温もりを感じるより先に、 握りしめていたままの手をそっと開く。 ――あ、 小さな恋の魔法が、 解けていく瞬間。 凜久の手に、それを乗せた。