「俺が入る隙間は、ないみたいだな……本当に悪かった」
――これを見た時。
そう言って、ポケットから消しゴムを取り出す。
「名前を刻んでいる瑠璃を見たとき……自分の中で何かが弾けたんだ」
「弾けた……?」
そぉっと、遊くんの腕の中から抜け出して
その瞳を真っ直ぐ見上げる。
「あの頃と変わらない……」
――瑠璃に恋する、気持ち。
真っ直ぐな視線をそのまま返されて、顔が真っ赤になっていくのが分かる。
告白って……“好き”
その2文字を紡ぐモノだと思ってた。
遊くんから受けた、2度目の告白は
なんだか凄く素敵なものに思えた気がする。