怖い――――ッ!! ギュッと目を堅くつむった時だった。 急に腰に腕を回され、気が付けば遊くんの腕の中。 「――ごめん、少しヤチモチを妬いたんだ」 耳のそばで響く声は なぜだかとても優しく感じて。 さっきまで乱暴に扱われていた事を一瞬でも、忘れてしまう。 「瑠璃の心を全部持って行ったアイツがうらやましかった」 ――あの頃は、 俺が、瑠璃の1番近い存在だって信じてたから。 喉の奥から紡ぎ出されるような、声。