「――…っはぁ」 凜久と手を繋いだまま、 ただ走る 走る――― 「――凜久、まっ…苦し…」 細い路地を曲がった所でようやく手を離した。 「はぁ…こんなに走ったの久しぶりかも」 「わ、私も……」 ふたりしてぜぇぜぇと息が上がったまま、笑いあった。 一体、瑠奈は何を考えてるの? でも…… ひとつだけ、確かなモノ ―――それは… 瑠奈が今でも遊くんを想っているってこと。