「幼なじ「遊くんは、ね――?」


“幼なじみ”

その単語を言い終わる前に瑠奈に遮られてしまう。





「瑠璃のこと……」


――嫌、言わないで……




「今でも……」

お願い

聞きたくないの



あの言葉だけは……






「――す「瑠璃が好きなのは俺だから」



瑠奈が“あの言葉”を言う前に、今度は凜久が遮る。




「瑠璃、行くよ」

「…う、うん!」



凜久に腕を引っ張られ、勢いよく前へと駆け出した――。





……1度も後ろを振り返らずに。