―――プシュー ここを、お昼過ぎに出発するバスなんて待ってられない。 俺は、まだ誰も乗っていない がら空きの始発の電車に乗り込んだ。 本当は、最後まで終わらしてから帰って来る予定だったけど。 …………、お金…持ってきて良かった。 「…すご、誰もいない……」 俺だけを乗せた電車がゆっくりと走り出す。 まだ薄暗い車内は、心地良い揺れで……俺の眠気を誘った。 夜が開ける頃には、瑠璃に会いに行くから。