空から舞い落ちてくる桜の花びらたち。
その一片が風に乗って、凜久の頭の上にヒラリと落ちる。
「凜久ッ!入学おめでとうッ!」
駆け寄ってその花びらを取ってあげる。
私たちの身長差は相変わらず3㎝差。
でもそれは――――
「ありがと、瑠璃」
少し高めの位置で、可愛い笑顔を見せてくれる。
"背だってその内越しちゃうんだからね"
ホントに、その通りになった。
冬から春にかけて、凜久の背はグングン伸びたんだ。
それでも本人はまだ伸び足らないらしくて、牛乳を飲んでるって凜久のお母さんがこっそり教えてくれた。