「はぁ〜…莉奈といるとダメだ、俺。」

敬ちゃんは耳の後ろを触りながら、真っ直ぐあたしを見つめた。

「こんな時に…すごくせこいと思う………」

真剣な瞳。

一瞬―――‥

さっきの優斗と敬ちゃんが被った。

「…俺、莉奈が好き。……ずっと好きだった。」

えっ…

今なんて…

「…ビックリさせてごめん。」

いくら言葉を探しても、何を言って良いかわからない。

どうしよう……

「…まだ出会って2日しか経ってないけど…。俺は1年の時から莉奈を好きだった。さっきも…好きな人が目の前で強がってる姿、見てられなくて。」

…だから抱き締めてくれた…

「ホント、急にごめん。」

敬ちゃんは深々と頭を下げた。

「そんな…謝らないで……」

「日曜日…もし、俺とのデートが楽しいって思えたら…お試しで良いから…」

下げていた頭をゆっくりと起こす。

「俺と付き合ってください。」