少しの沈黙。

その時、教室のドアが勢いよく開く。

「お〜。まだ残ってたんだ?結構時間かかってるの?」

敬ちゃんが元気よく現れた。

急いで涙を拭う。

「ごめんね。あんまり進んでないんだ。」

泣いてたこと、バレてないかな…。

「良かった〜。今日さ、グラウンド整備だけで部活早く終わったから、様子見に来たんだ!」

「真中…悪い。全然進んでないけど、俺先に帰るわ。」

優斗はカバンを取り、教室から出て行ってしまった。


空はオレンジ色から紺色のグラデーションに変わっている。