頬を伝う涙。
この涙は何を意味しているの?
気持ちが迷子だ。

「俺、ずっと莉奈とは好き同士なんだって思ってた。でもいつからか莉奈の気持ちがわからなくなったんだよ。」

ねぇ、いつからあたしの気持ちに気づいていたの?

好きだったことも、気持ちを仕舞い込んだことも、全部伝わってた……。

「何言ってんの?あたしは優斗に好意なんて抱いたことないよ?」

「どうして嘘つくんだよ。」

「嘘じゃないよ。嘘なんかじゃない…!過去も現在も未来も……あなたを好きになることは絶対にない。」

これが最後の強がり。

「……わかった……。」

優斗は力なく、イスへと腰を下ろした。