「そうなんだ…」
この辺の人なら
尚更、彼と一緒の所
を見られるかもしれない。
家だって知られて…
なにかされるのかな…
不安になる。

「ゴメンな。俺なりに
早く片付けるから。」
「うん…大丈夫。
今日どこ行くの?」

暗くなりたくなくて、
わざと話題を変える。

「うーん…
華穂はどっかある?」
「特にないかなー。」
「そっか。じゃあ
ちょっと行くか。」
「?」
「テキトーに、
行ってみて決める(笑)」
「あは。いいんじゃない?」
「知り合いとかも
いないだろうし、
デートだな♪」
「いいねぇ!久々!」
「そうだな~。
つか、デートっぽい
デートしてなくね?」
「なにげにそうかもね~。」
「ゴメンな?」
「えっ?」
「いや…普通に
デートも出来ないし、
公に出来る相手じゃなくて
ゴメンな。」
「そんなの思わないよ!
あたしこそゴメン。」
「俺はいいよ。」
「あたしも。
十分幸せだもん。」
「サンキュ!」
「いいえ♪」

彼はいつも
気にしていたのかも
しれない。
どちらかと言えば、
自分の気持ちを
言葉にしてくれる人だった。
でも、やっぱり
言えないことも、
気付いてあげれなかった
こともあったんだ…