しばらく見つめていると
…見とれていると…(笑)

「あのさー?
さっきからなに
ガン飛ばしてくれてんの?」
「…っ!!
別にガン飛ばして
ないもんっ…ただ…」
「…ただ?」
「その…わざわざ…」
「わざわざ?」
「…いやな話でしょ?
いつでも飛び出して
行けるところで車
停めてくれたって
いいじゃんかぁっ…」

いっぱいいっぱいな私を
よそに、余裕綽々な彼に…
自分で口にした言葉に、
無性に苦しくなって、
涙が出てきた。

「…はっ??お前、
なんで泣いてんの??
つか、いやな話??」
「…グスッ…」
「まぁ、良い話ではない…」
「もぉいいよぉ…帰る…
ここでゆってよ!
早く、車停めて!」
「ちょっ!は?お前バカ?」
「別れるなら別れるって
はやくゆえばいいじゃんっ…
もぉやだよ…グスッ…」


ゆっくりと車が止まった。
田舎だから、
夜中に車なんか
滅多に通らない。
静かな、静かな
その空間。

「…はぁ…あのな…
それはお前次第だ。
話がある。
俺は、別れたくないから
お前に話そうとして
会うことにしたんだ。
電話やメールで
話せることじゃない。
まぁ、話を聞いたお前が
別れるっていうのなら、
俺には止める
資格はないと思う…」

(ちょっと待って…?)

「…?別れ話…
じゃないの…?」