机に向かっていても勉強ならないと由衣はベッドに横になった


 (…何も…話してもくれない…こんなのが婚約者ってやつなのかな?)


 (…立夏さん……このモヤモヤな気持ちなに?…不安だよ…私だけがかやの外……ふ…あん…)


由衣の身体が眠りを求めると従順なまぶたはゆっくり落ちた



* * * * *


 「あなたでしょう?」

 『何だいきなり』

 「白石真由が僕の大学に来ました」

 『ふっ…だから何だ、許嫁が会いに行って何が悪い』

 「…由衣がいます」

 『私に紹介もしないくせに?』

 「……」


立夏は書斎で苛立ちながら龍郎に電話していた