結局手話がわからないクラスメイトたちは由衣から離れていった


 「由衣様、ここは落ち着かないですから庭に出ましょうか?」


律子の娘とあって由衣は鈴を信用してお弁当を持って庭に出た


 「お天気が良いから気持ちいいですね~」

コクリと頷く由衣は持ってきていたノートに

 《鈴さんって》

 「鈴って呼んで下さい」

ニコッと微笑む鈴

 (やっぱり律子さんに似てる…)


 《じゃぁ私のことは由衣って呼んで鈴》

 「そっそれはダメです!」


慌てて言う鈴に少しため息をつく

 《じゃぁ二人の時だけでもいいから》

 「…わかり…うん、由衣」


鈴の言葉に今度は由衣がにっこりと微笑んだ



 (うわっ……可愛い…お母さんの言うとおり可愛い人)