立夏に手を引かれるままにランドクルーザーに乗せられた


南は車の近くに来て


 「またね、由衣」


と手を振っていた


二人を乗せた車はゆっくりと施設を離れていった



 「由衣、寒くないくかい?」


まだ2月の中旬

息は白く吐き出され頬をほんのりと赤く染める人々を見ていた


 「そんなに珍しい?」


笑顔を浮かべながらハンドルを握っている立夏が言った