由衣は靴箱から一気に教室に駆け込んだ


好奇の眼差しは由衣の身体を差すように向けられる


 (もうっ…やだっ!)

 「おっはよぉ~由衣」

教室に入ると明るい声が由衣を迎えた


由衣は早苗を見るとにっこり笑って近寄る 


ーおはよう、早苗ちゃん

 「おはよっ由衣」


肩を叩かれ振り向くと弥生が笑っていた


ーやよちゃんもおはよう


由衣より頭一つ文背が高い弥生は腕の中にすっぽりと抱きしめた


 「かわいいっ!由衣ってば!」

 「弥生っ!ずるいわよっ!」

弥生の腕の中にいると立夏の腕の中を思い出した


 (あっ…私…立夏さんの…こと考えてる)


そう思った