「さっ出来ましたから朝食になさいましょう」


律子に促されるまま由衣はダイニングのドアの前に立った


 「由衣様?」


ドアの前に立つと少し考えているのか動かない由衣


 (…立夏さんに…どんな顔で会えば…)


キスしてからはじめて会う朝


顔が熱くなりキスした瞬間の立夏の唇の熱さがよみがえってくる



 「由衣様、おはようございます」


両手を頬にあてて考えていたら村田がドアを開けていた


 「由衣様?ご朝食の用意が出来ております」



はっと我に返ってダイニングのテーブルを窺うと


 (あれ?…いない…)


立夏の姿はなかった