立夏のからかうような口振りが少しいらっとした由衣は口を尖らせた
(着替えくらい自分で出来るもんっ!)
立夏をすり抜けて階段を下がろうとする
(ご機嫌を損ねたみたいだな…やちゃった…それにしても…)
儚げな由衣は庇護欲が溢れ出る
階段を無意識に俯きながら下りる由衣
(…やっぱ慣れないよ…着替えくらい自分でしなきゃ…)
中山には悪いと思っても自分は中山の主人ではない
だからあんな風に気を使われる理由がない
「由衣、考え事しながらは危ないよ」
いつの間にか並んでいた立夏に手を繋がれてダイニング向かった