立夏が胸から由衣を離すと両手で頬を挟んで顔をあげて見つめてきた
(うぅっ…わっ…)
立夏のブルーの瞳に吸い込まれそうになる
ふわっと額にキスが振りそそいだ
「好きだよ」
立夏がふわりと微笑むと再び立夏の携帯が鳴った
「ごめんね」
そう言って立夏は由衣の部屋から携帯を耳に当てながら出て行った
(…夢でも見てるのかな?)
施設育ちの自分がいきなら日本でも有名な企業の御曹司が婚約者だと言われ、見たこともない大きな屋敷で自分だけの部屋を与えてもらって、「好きだよ」なんて…
(恥ずかしいっ…き、キスされた……)
由衣の顔から湯気がでるくらい恥ずかしくなって頬に手をあてて湯気が冷めるのをまった