立夏はマイクを持つと感謝を招待客に述べた


それは次期本郷家当主に相応しい言葉だった


威厳に満ち溢れ、それでいて繊細な言葉遣い


経験が足りない物の立夏の年では立派な挨拶だった

もちろん招待状の退院と言うことだけに絞った挨拶は「婚約者は?」と挨拶周りでなんでも聞かれたがそのたびに立夏は「またの機会に」と微笑んで返した


これでは誰も文句のつけようがなく龍郎も里香子も満足げに立夏を見守っていた


 (立夏…立派よ…)


 (っ……まだ……)


真由は悔しさが広がったが携帯をとると


 「…あっお父様?あの施設潰して?」