その言葉にクッと口元を緩ませた立夏


 「残念ですが、僕は好きでもない相手と結婚するほど酔狂ではありません」

 「っ……でもどうすりのかしら?今日のパーティーであなたの婚約者が見られると皆さん楽しみになさってるのよ?…婚約者不在では本郷もなめられてしまいますよ?」


真由は楽しそうに笑っている

その様子に拳をぎゅっと握る律子

 (卑怯な女…由衣様を陥れるなんて…)

 (…意地汚い方ですこと…でも…立夏…)


里香子は立夏を心配そうに見上げた


立夏は一度龍郎を見た


 「お前の好きにしなさい、今日は退院パーティーなのだから」


龍郎はにんまりと笑うと立夏に頷いた