記憶が戻っている立夏は由衣の手紙の「ある人」が真由だと確信していた

だから抱きついてきた真由を冷たく離した

 「離して下さい…あなたでしょ?」

 「えっ…」


底冷えするようなブルーの瞳に睨まれ動けなくなる真由


 「…由衣が僕を思って身を引くとわかって言ったのでしょ?僕の幸せを考えろって」


招待客も立夏の声を聞き会話を止めて立夏と真由に見ている


 「…決めたのは彼女よ?私ではないわ」

 「えぇ…それでもあなたが何もいわなければ由衣は今僕のそばにいるはず」

 「でもいないのよ?私で妥協しません?私ならあなたの妻として社交界にも通用しますわよ?」