「っ…た」


頭の痛みが一気に膨れ上がりパンッと弾けるように記憶が戻ってきた

このベッドで連れてきた日に無防備な由衣を愛おしく感じて抱きしめて寝たこと


そして何度もこのベッドで由衣という愛しい人を抱きしめたのだろう


そんなことも忘れていた自分に腹がたつ


 「っ……由衣……」


立夏の頬に冷たい雫が伝った


何度呼んでもその人は居ない